2012年12月13日木曜日

成田市生涯学習講演会に行ってきました。

成田国際高校吹奏楽部の演奏で講演会が始まりました。

1曲目に演奏されたのはバレエ音楽「シンデレラ」。影絵を使い音楽と物語をリンクさせていたので、音楽シーンが浮かび非常に面白い試みでした。(影絵がないとシンデレラを演奏していることすらわからなかったかも)
次いで、カーペンターズのメドレーやディズニーでおなじみの曲、最後に成国名物の「インバ デ サンバ」で締めくくりました。(つかみはOKって感じです。)

いよいよ講演。

聖路加国際病院理事長 日野原 重明先生の登場です。
9人家族(6人兄弟)の二男。明治の年号にちなんで兄弟全員に「明」の字が入っているそうです。

ステージ中央に立ち、両手を大きく広げポーズをとると会場からは大きな大きな拍手の嵐。
日野原先生は1911年10月4日生まれ、御年101歳現役のお医者様です。

戦後間もないころ、先生は当時国内にいた進駐軍から薬を分けてもらい、病気やけがに苦しむ人々の診療にあたられたそうです。(毎週土曜日には冨里に診察に来ていたとのこと。当時は舗装などされていなかったでこぼこ道を3時間以上かけてきたそうです)

また、1970年には、内科学会が開催される福岡へ向かう飛行機が、なんとハイジャックされてしまう(有名なよど号ハイジャック事件に遭遇)などすごいエピソードも持っています。

講演会に話を戻します。

テーマは「輝きのある生き方-邂逅(出会い)の重要さ-」
いつくるかもしれない「いのちの喪失」

天災(地震・津波・台風・竜巻・落雷など)によって、交通事故によって、または火災によってなどなど、人はいつ何時災難に遭遇するかわからない。
地震津波の恐怖は鴨 長明(1155~1216)の『方丈記』に示されていますし、兼好法師(1283~1352)の『徒然草』には死の恐怖が書かれています。といったいきなり重い話から講演が始まりました。(口調はやさしいので話の内容ほど重くはなかった)

人生さまざまな出来事があるかもしれないがその中には 邂逅 (思いがけなく出会うこと)がある。
1 師・先輩との出会い
2 本、文献との出会い
3 病む患者との出会い
4 よど号事件の体験     
 の中から、日野原流ポジティブに生きる5つの条件を見出したそうです。

1 自分に力のあることを前面に押し出し、弱点は後に沈める。
2 なんでも、前向きに行動する。
3 情熱をもって生き、クールな自分を押さえる。
4 社会行動、文化行動に興味を持ち、その何かの活動に参加する。
5 自分は他の何にも制限されないと自分に言い聞かせる。

聞いていて、「うーん、なかなか難しいことなんじゃない。これは」と感じるのは私だけ?

そして、生き方として必要な 3つのV についてお話をいただきました。

「理想、つまりビジョンを持つこと」
「ベンチャー、勇気をもって行動すること」
そうすれば「ビクトリー、達成の喜びを感じることができる」

日野原先生は、講演の間1時間以上立ちっぱなし。時折ユーモアを交えた、絶妙で、軽妙なトークで、会場からは何度も笑いの声が上がりました。

講演会終了後には、再び成国吹奏楽部がステージに登場し成田混声合唱団の皆さんと「ふるさと」の大合唱。会場にいる人全員(約1200人)での合唱は迫力とともに心温まるものでした。(ちょっと目がウルウルしてしまった。)